以前からギターを弾き
曲の断片やアイデアのいくつかはあったものの
バンドの経験などなかった私は
大学生活の中で
いつか自作の曲を演奏することとなるバンドを作ろうと思いながら
学内にある音楽サークルの新入生歓迎のライブを見ていた
学内にはジャズやフォークなど
各々特色を持った4つの音楽サークルがあり
彼らも新入生を一人でも多く入部させ
さらに自分達のサークルを盛り上げようと
学内の広場でビラ配りなどの勧誘を行っていた
そんな中
新入生歓迎のライブは卒業を控えた上級生たちによって行われ
どれもプロ顔負けの実力を伴った演奏で大いに盛り上がっていた
そんなある日
大学の新入生歓迎のライブを見に行った帰り際
階段の踊り場で
一人の男とすれ違った
きっと彼もライブを見に行く新入生の一人だろう
とっさに声をかけた
彼はドラマーだった
高校時代にすでにバンドを結成し
ライブの経験もあると言う
だが卒業と同時にそのバンドは解散したようだ
とっさに自分を印象付けようと
あえてその日のライブで行われていた音楽を否定する言葉とともに
ハードなリフを主体とするコアな音楽を自分は目指したいと伝えた
ほんの数分の言葉のやり取りだけであったが
Nirvanaや、Blankey jet city、The beatlesと言ったバンドの名前が次々と上がった
話は一気に盛り上がり
僕らはサークルへの所属とスタジオでのセッションを約束した
その後正式にサークルに所属した私は
人生初となる他者とのセッションを
その日に知り合ったドラマーの直江卓哉と
サークル所有のスタジオにて経験することになった