Red Colored Gunは同じ学校に通う者同士で結成されたバンドなので
結成当初は
例えばスタジオセッションなどがない日でも
ほとんど毎日のように顔を合わせていたが
お互いの音楽的なルーツが全く異なることもあって
音楽に関する突っ込んだ会話を
どこかで避けているようなバンドだった
今にして思うと
お互いに聴いてきた音楽的なバックグランドがあまりに
違うことから
また
そのことをバンド結成後の
比較的早いうちに
お互いに意識していたことから
音楽に関して語り合い
無駄な衝突のきっかけを作ることを必要以上に恐れていたのだと思う
バンド結成直後は
コピーバンドであったこともあって
スタジオセッションの時間であっても
ただひたすらに演奏を繰り返すばかりで
こうしたらもっと良くなる
とか
自分はこう演奏したいから
ここはこんな風にアプローチをしてほしい
などといった
今ならば当たり前に話せるようなことでも
お互いに随分と遠慮して
ただ黙々と演奏を繰り返していた
音楽観は違っていても
演奏すればお互いに対して
そして演奏に関しても
良い感触を共有することはできていたから
あえて対立の火種をまくことをするまい
と考えていたのだと思う
だが
そんな状況ではありながらも
当時
バンドとして本当にこれでいいのだろうか?
という疑いの感情を
どこかで持っていた
ミュージシャンである以上
多かれ少なかれ
音楽性が違うのは当たり前のことであって
これから先
さらに高い目標に向かって活動を続けていくに
あたっては
メンバーそれぞれの意向が共有されて
個々の音楽性が十分に楽曲に投影されなければ
同じバンドとして活動する意味がない
という
当然の事実から
目をそらしてはいけないと考えていたのだ
そうした時期を経たうえで
改めて
バンド内のコミュニケーションがとても大切だ
と考えるようになったきっかけは
やはりバンドがオリジナル作品の制作へと
活動の方向性を切り替えた時期からだったのだろうと思う
すでに存在している楽曲をコピーしてステージで演奏するだけなら
メンバーがお互いの演奏に対して
細かい指摘をせずに
楽しく音楽をやれれば良い
という考え方も
ある意味では正解なのかもしれないが
一から自分たちの音楽を作り
それをメンバー全員が納得出来るレベルへと高めていくためには
お互いへの(厳しい意見も含めた)意思疎通を避けることなど不可能で
そうした思いや
またそのことが必要な状況から出されていく
お互いの演奏への
"一歩踏み込んだ意見"が
徐々にではあるが確実に積み重なっていき
時間の経過とともに
お互いの演奏に対する要望などを
遠慮なく伝えあえる関係性へと
少しづつ変化していったように思える
内輪の話ではあるが
2018年頃から
バンドは新たなコミュニケーションツールとして
グループラインの
使用を開始した
そのことからバンドで
活動に関する考えを共有する過程において
例えば
バンドが進むべき方向性や優先すべき事項などに関して
考え方の違いが浮き彫りになるような事態に陥ったとしても
その経過の全てを
メンバーがほとんど時差もなく共有することで
お互いに対しての誤解を避けることができて
とても助かっている
今では
バンドの音楽に関して
活動の方針に関して
あるいは
プロモーションの方向性や方法
その成果に関して
最近注目している音楽に関して
そして時には音楽とは離れる話題に関して…
というように
特に差し迫った議題が無い時期であっても
様々な話題で
ほとんど毎日のように
お互いに気軽に連絡を
取り合うようになった
バンドの結成当初には考えられなかったほど
メンバーの距離も近くなった
長い時間をともに過ごした今
仮にバンド内で
意見やアプローチ面での相違があったとしても
その都度
生じた問題と真剣に
そして前向きに向き合う事が大切なのであって
相違があることそのものに関しては
必要以上にネガティブに感じたり
深刻に受け止める必要はない
と考えることが出来るようになった
こうして改めて振り返ってみると
数々のセッションやレコーディング
そしてライブを潜り抜けながら
メンバー間のコミュニケーションはより円滑になったし
そうしたことが積みあがる事によって
メンバーの結束も
確実に強固なものへと変化していった
結成から長い時間を経た今では
結成当初に存在していた
お互いに対する”不必要な遠慮”は随分と薄れた
そういう意味では
Red Colored Gunも
すっかりバンドらしくなったものだと感じている