入学後間もなく
恐らく5月か、6月のある日
先輩より空いているスタジオの使用許可をもらい
自分にとっては初めてとなる他者とのセッションを経験する日がやってきた
スタジオのボーカルマイクをオンにし
ギターの音作りを済ませて
ドラムの直江と2人のみでの学内スタジオでのセッションが
始まったのだが
その日はなんといっても
初めて聞く直江のドラムサウンドの迫力に圧倒された
バンドの経験もあった彼は
挑むかのようなドラミングを叩きつけてくる
当時から手数が多くハードヒットな
今に通じる彼のスタイルの原型があり
圧倒されながらも
こちらも思いつくばかりのギターリフを弾き、叫ぶように歌い
あっという間に時間が過ぎ
初めてのセッションは終わった
生涯初めてのバンド演奏であったが強烈な印象として残っている
後に聞いた話では
すでにその腕を買っていた他サークルの先輩などから
直江のもとに多数のバンド加入の誘いがかけられていたのだそうだ
だがこの日を機に僕ら2人は正式にバンドを結成することとなった